目次
はじめに
パソコンのLAN回線でのリモートの起動や再起動・停止操作についてWindows Serverでは設定変更が必要なかった項目がWindows10Proで必要になったのでWindows10Proでの設定についてメモする。
WOLによる起動
パソコンをリモート起動するには,WOL(Wake On LAN)を利用する。
完全に電源OFFから起動できる「ハードウェアWoL」とWindowsが休止・スリープ状態から復帰させる「ソフトウェアWoL」がある。
今回は完全に電源OFFから起動できる「ハードウェアWoL」を設定する。「ハードウェアWoL」は、Windowsをシャットダウンした状態(S5ステート)から復帰させる事が出来る。
BIOS設定
パソコンの起動時に「F2」キーもしくは「DEL」+「F2」キー等メーカーにより違いがあるが連打してBIOS画面に入る。
BIOS設定 Powerタブの「LAN」または「Wake On LAN」を「Enabled」にする。
PCメーカー(BIOSメーカー)や機種により違いがある。Powerタブが無い場合もある。
この設定によりパソコンの電源が「切」でも電源ケーブルが接続されている場合はネットワークアダプター(LANアダプター)に電源を供給し続けるようになる。
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又は
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ネットワークアダプターの設定
LANからWOLパケット(Magic Packet)を受信できるように設定する。
ネットワークアダプターの最新ドライバーをインストールしておく。バージョンによりメニューに違いがある。
WindowsUpdateでは古いドライバーの可能性あり。
この設定画面もメーカーにより違いがある。
詳細設定タブ
PMEをオンにする 有効 (有る場合)
Wake On Magic Paket 有効 (有る場合)
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電源の管理タブ
3項目共チェックする。(有る場合)
電力の節約のために・・・・電源をオフに・・・ チェック
このデバイス・・・ 解除できる・・ チェック
Magic Packetでのみ・・・ チェック
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又は
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このアダプターは詳細設定タブで「Wake On Magic Packet」を有効にしているのでスタンバイ解除はグレーアウトしている。
Wake onLAN関係の設定がひとつのタブで可能なものもある。
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PsShutdownによる停止・再起動
パソコンの停止や再起動はPsShutdownというツールを使用する。
Windowsのバージョンやユーザーアカウントの制約があるが個人的には使いやすいと思う。
下記以外のPsShutdownの制約は過去の記事参照
Windows電源管理
Windowsの電源管理をスタンバイにしない設定にする。
省電力モード等のスタンバイにするとLANアダプターに電源供給されなくなりPING応答しなくなる機種がある。サーバー機ではない機種にある。WOLとは直接関係ないが,PsShutdownによるLANからの停止コマンドを受け付けなくなる。
電源オプションの変更
Windows10のデフォルト設定では,シャットダウン時にLANポートのスタンバイ電源をOFFにしてシャットダウンする仕様となっている。
当然WOLのマジックバケットはLANポートで受信できない。
イーサネット | Microsoft Learn
WOLを使用するには,LANポートのスタンバイ電源をOFFにしないように変更する必要がある。コントロールパネル画面から次のように画面展開して設定画面を表示する。
「コントロールパネル」-「システムとセキュリティ」-「電源オプション」-「電源ボタンの動作を選択する」-「現在利用可能ではない設定を変更します」-「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外す
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ポート開放
Windows Serverでは特別な設定変更は必要なかったが,クライアント用のWindows10Pro等では設定変更しないとPsShutdownが効かなかった。
例:Windows Server2012r2からPsShutdownでWindows10Proを再起動する際にWindows Server2012r2側で「デフォルトの admin$ 共有が有効になっていることを確認してください」というエラーが発生した。
Make sure that the default admin$ share is enabled on 192.168.1.245.
ネット検索での情報ではレジストリを変更する必要があるようだが,Windows10Proではポート開放のみでコマンドが効いた。
LanmanServer サービスと LanmanWorkstation サービスがコンピューター上で実行されている必要があり,SMB ポート (TCP/445) と UDP/137 ポートは、ソース コンピューターとターゲット コンピューターの間のファイアウォールで開く必要がある。
下記のポート開放「SMB ポート (TCP/445) 」のみで有効となった。
LanmanWorkstation サービスのUDP/137 ポートは開放されている。
ローカルコンピューターのセキュリティ 受信の規則
Netlogonサービス(NP受信) を右クリックして「規則の有効化」選択
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考察
サーバー用途以外のWindows10Pro等のクライアントPCをリモート操作することはあまり機会が無いが,機種による違いはあるものの基本的な設定項目は同じなので,この手順の応用で他のPCでも可能だと思う。