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星景写真の撮影について
星景写真は地上の景色と星空を同時に1枚の写真に収めるので,両者の明暗が異なり普通に撮影すると地上は真っ黒になる。または地上に露出を合わせると星空は真っ白となってしまう。
適正露出の異なる被写体を1枚に収めるにはストロボを利用したり,別々に適正露出で撮影した写真を合成する方法がある。
カメラの設定メモ
星景写真を撮るにあたって,カメラの設定について経験則に基づいてメモる。
使用機材 カメラ(AF・AEはマニュアル設定),レンズ(16~35mm,f2.8),ストロボ(広角フィルター付き),三脚,リモートレリーズ
各撮影に共通の設定
・カメラモードはマニュアル Mに設定
・レンズはAF オフで遠景にピントを合わせる。
カメラのライブモニターで光の強い星等が丸く小さくなるようにフォーカスリングを調整してパーマセルテープ等でリングを固定する。目盛り位置を覚えておくと便利
・ズームレンズの場合は,画角調整後にズームリングもテープで固定する。
・その他 ssや絞り,iso感度は撮影環境で調整必要。
理想はなるべく早いss(長秒ノイズ低減),大きいf値(被写界深度を深く),小さいiso感度(高感度ノイズ低減)
星空をメインで撮影
シャッター1回で撮影する(できる)場合の星景は,地上風景は動きが無い影として表現する場合等で,シャッタースピードが15秒程度,絞りf1.4~f2.8,iso感度1250~1600,レンズ焦点距離16mm~24mmで三脚使用で撮影する。
星空は明るく写り,地上風景は暗い影となる。

星空をストロボ撮影
上記の設定に加えてストロボ光で地上風景の近景を明るく撮影できる。
シャッターレリーズ後にストロボ発光して近景を明るく撮影後,シャッターは開いたまま20秒間で星空を撮影する。動きのある近景がある場合はこの撮影方法は向かない。近景に人物がいる場合はストロボ発光後にその場を動いた場合は半透明の人物になるので,撮影終了まで動かないほうがよい。

地上風景と星空の2回撮影
2回撮影して合成するので三脚はしっかりと固定して,スームレンズは画角を変えないようにする。地上と星空のそれぞれについて設定値を変更して撮影する。
地上風景の撮影
地上風景撮影時は近景にピントを合わせて,カメラモードはプログラムでも問題ない。
通常の夜間撮影なのでシャッタースピードはカメラ任せの1/60秒でストロボ発光させるので人物等の動きのある近景も撮影できる。
この後の星空撮影時に天の川の明るい部分と重なる被写体(人物等)がある場合は,比較明合成時により明るい星空が優先される恐れがあるので,明るめに撮影したほうが良い。または合成時に明るく設定する。比較暗合成でマスクをかける方法もある。

星空の撮影
星空撮影の設定時はカメラを触るので,三脚等はしっかり固定して動かさないように慎重に行う。
レンズのピントはここで星に合わせなおすのもよいが,事前に合わせた位置をマークしておいてその位置にフォーカスリングを固定する。
その他の設定は「星空をメインで撮影」に準じる。
ストロボ電源を切るのを忘れないこと。

地上風景と星空を別々に撮影することで,それぞれ個別にレタッチできるので仕上がりの自由度が増す。特に天の川はレタッチソフトのPhotoshop Lightroomが必須だ。
撮影順序は逆でも問題ない。最初に星空撮影してから地上風景撮影の場合はもう一度星空を撮りたい場合は,再設定の必要があるので,自分は地上→星空の順で撮影する。
何パターンかの地上風景撮影 →(設定変更)→ 星空撮影 →(設定変更なし)→ インターバル撮影(星の軌跡・スタートレイル)といったふうに最後はインターバル撮影で1時間ほど放置して撮影している。
花火と地上風景も同様の撮り方をするが,花火はバルブモードで撮影する。
レタッチ・合成
撮影した複数の写真をパソコンソフトで比較明合成するのだが,rawで撮影しているので個々の撮った写真単独でCANONのDigital Photo Professionalで明るさ等の簡単なレタッチを行ってから合成する。合成後のJPEGで再度,Photoshop Lightroomでレタッチして完成。
地上風景写真 + 星空写真 = 合成写真
+
=