PRIMERGY TX1330 M2の電源・ファン冗長化メモ

はじめに

PRIMERGY TX1330 M2の電源とファンを冗長化してみたので,その際のデータをメモる。
中古で入手したPRIMERGY TX1330 M4から電源とファンを取り外しTX1330 M2に取付した。TX1330 M4TX1330 M2の後継機でマザーボードの仕様変更はあるが他のパーツはほぼ同じ仕様の部品を使用しているので互換性がある。ファンユニットは回転するが未接続のFAN1コネクターでエラーランプ点灯してFAN1エラー表示される。取説にはファン交換について記載がないのでファンの冗長化取り換えできないようだ。
TX1330 M4標準電源に取替えしてクライアントパソコンとして使用予定。ファンは冗長化のまま使用するしかないが,少しうるさいかな。
PRIMERGY TX1330 M4 のCPUはXeon E2174Gなのだが,このCPUはサーバー用途よりもワークステーションで使いたいCPUだ。昨年にWindows11未サポートとなっており,Windows10でも同様と思うが,とりあえずWindows10をインストールしてみようと思う。

電源取替のパーツ情報

電源ユニットとファンユニットを取り外して300W標準電源と450W冗長電源の仕様を確認。

300W標準電源

製品名:DPS-300AB-56 B
電源ケーブルとファン制御ケーブル付でマザーボードに直接接続する。

TX1330M2用電源ユニット

TX・RX1330M2用標準電源300Wのケーブル

電線の色/信号の仕様端子番号端子番号電線の色/信号の仕様
/ GND19 / +12V1
/ GND210 / +12V1
/ GND311 / +12V1
/ +12V2412 / GND
/ +12V2513 / GND
/ +12V2614 / GND
/ PS_ON715 / PWR_OK
又は / +11VSB816(空き) / N.C.
マザーボード側ピンアサイン16Pin №8Pin・TX:黄色,RX:紫

№8PinのSB(stand-by)は標準電源11V冗長電源12Vで電圧が異なるが,実測値11.36Vと12.03Vだった。主電源OFF時でも動作するiRMCで使用している。

標準電源ケーブル 16Pinオス   №16は未接続

16PinマザーボードPWR1コネクター
マザーボード側 16Pinメス

 

450W冗長電源

製品名:S13-450P1A
容量(ワット数)により仕様が異なるようで,同一容量であればどのモデルでも使用できるみたい。450W電源モジュールを2台使用して冗長化する。

ホットプラグPSU

冗長電源ケーブル接続データ

PRIMERGY
モデル
ケーブル種別取説ケーブル№/
名称/
製品番号
配電ボード/
接続箇所/
ピン数
マザーボード/
接続箇所/
ピン数
TX1330M2・TX1330M4電源線C10/
CBL_PDB_MoBo_Pwr/
T26139-Y3952-V611
A3C40125913/
P21/
14Pin
PWR1PWR MAIN/
16Pin
信号線C11/
CBL_PDB_MoBo_Sig/
T26139-Y3956-V2
P20/
10Pin
P30/
10Pin
電源線
SASバックプレーン用
C12/
CBL_PWR_12P_2x6P/
T26139-Y3939-V207
P22P12/
12Pin
SAS BPL/
6Pin ×2
+12V
RX1330M2電源線C9/
CBL_PDB_POWER/
T26139-Y4041-V1
A3C40157835/
X10/
16Pin
PWR1/
16Pin
信号線C10/
CBL_PDB_SIDEBAND/
T26139-Y3956-V3
X13/
10Pin
P30/
10Pin

冗長電源の配電ボード

TX1330M2・TX1330M4用

配電ボード製品コード A3C40125913

RX1330M2用

配電ボード製品コード A3C40157835
部品取りの為ジャンク品を入手したが仕様が違う。TXで使用するには電源は使えるが配電ボードは工作が必要。電源ケーブルも16Pin-16Pinの長いものが必要。

TX1330M2用冗長電源450Wのケーブル

14Pin配電ボードP21コネクター
14Pinオス  №14は未接続
電線の色/信号の仕様端子番号
( )はM/B側№
端子番号
( )はM/B側№
電線の色/信号の仕様
/ GND1 → (1)8 → (9) /+12V
/ GND2 → (2)9 → (10) / +12V
/ GND3 → (3)10 → (11) / +12V
/ +12V4 → (4)11 → (12) /GND
/ +12V5 → (5)12 → (13) / GND
/ +12V6 → (6)13 → (14) / GND
/ +12VSB7 → (8)14(空き) / N.C.

冗長電源は別途PSU信号ケーブルから電源制御するので「PS_ON」「PWR_OK」の出力が無い。

14Pinから16Pinに変換

16PinマザーボードPWR1コネクター
16Pinオス  №7,15,16は未接続
電線の色/信号の仕様端子番号
( )は電源側№
端子番号
( )は電源側№
電線の色/信号の仕様
/ GND(1) → 1(8) → 9 /+12V
/ GND(2) → 2(9) → 10 / +12V
/ GND(3) → 3(10) → 11 / +12V
/ +12V(4) → 4(11) → 12 /GND
/ +12V(5) → 5(12) → 13 / GND
/ +12V(6) → 6(13) → 14 / GND
(空き) / N.C. PS_ON   7   15(空き) / N.C. PWR_OK
/ +12VSB(7) → 8   16(空き) / N.C.
マザーボード側 16Pinメス

RX1330M2用冗長電源450Wのケーブル

16Pin配電ボードX10コネクター
電線の色/信号の仕様端子番号
( )はM/B側№
端子番号
( )はM/B側№
電線の色/信号の仕様
/ GND1 → (1)9 → (9) /+12V
/ GND2 → (2)10 → (10) / +12V
/ GND3 → (3)11 → (11) / +12V
/ +12V4 → (4)12 → (12) /GND
/ +12V5 → (5)13 → (13) / GND
/ +12V6 → (6)14 → (14) / GND
/ (PS_ON)
OFF時+5.09V
7 → (7)15 → (15) / (PWR_OK)
ON時+3.30V
/ +12VSB8 → (8)16 → (16) / (空き)

RX1330M2の配電ボードをTX1330M2~4で使用する際は,配電ボード側のピン数が合わないのでひと工夫が必要。信号線はバージョン番号が異なるが大丈夫そう。
「PS_ON」「PWR_OK」はPSU信号ケーブルと重複しているが,電源側で無効にしている。
信号線を外すと電源ボタンONでは「入」にならないので信号線で「ON」指令を送っている。
電源ボタンON時に№7「PS_ON」は5.09V→0.011Vに変化する。逆に№15「PWR_OK」は0V→3.30Vに変化するので,マザーボード側は有効となっているみたい。でないと標準電源を接続できない。

16Pinオス 両端同一

16Pin配電ボードX10コネクターと同一Pinに16本全て接続

16Pinから16Pin  

16PinマザーボードPWR1コネクター
マザーボード側 16Pinメス

電源接続まとめ

PRIMERGYマザーボード側 TXRX共16Pinコネクター
TX1330M2標準電源300W 16Pinコネクターケーブルマザーボード16Pinに接続
TX1330M2冗長電源450W 配電ボード14Pin から マザーボード16Pinに接続
RX1330M2冗長電源450W 配電ボード16Pin から マザーボード16Pinに全接続

ファン

シュラウド

標準ファンから冗長ファンに変更不可
 マザーボードのファン接続コネクター位置が固定設定されているようだ。
 TX1330 M2とM4のファンは仕様が異なるので,シュラウドのファンを同一仕様のファン2台に交換して冗長用コネクター(FAN2,FAN4)に接続したが,標準用のFAN1コネクターのエラーランプが点滅してFAN1エラー表示された。他のFAN1,3にも接続したが,回転数が異常になる。マニュアルにも交換の記載が無いので交換出来ない仕様のようだ。

仕様

TX1330M2 ファン

MODEL QFR1212EHE -6H31  
FTS P/N A3C40089133.C
消費電力DC12V/最大1.5A・12W
風量173.83CFM・回転数最大5000RPM
動作音59dBA
DELTA ELECTRONICS. INC

 

TX1330M4 ファン

MODEL QFR1212UHE
FTS P/N A3C40210776.A
消費電力DC12V/最大5.00A
風量280.38CFM・回転数最大7500RPM
動作音64dBA
DELTA ELECTRONICS. INC


冗長化の確認

iRMCで電源冗長化を確認する。

標準電源のiRMC画面
電源ユニット情報は表示されていない。

冗長電源のiRMC画面
電源ユニット情報に表示される。

考察

今回はサーバー用途機(TX1330M2)を電源冗長化してみたが,ファンの冗長化が出来なかったのが想定外だった。ワークステーション用途機(TX1330M4)ではファンの冗長化は不要だがしばらく使ってみて,うるさいようであれば考えたい。

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